墨 は が き
NHK文化センター静岡教室
墨はがき(枕草子で季節のおたより)
書 で 観 る 季 節 の 便 り
墨には様々な美しさがあります。濃墨や薄墨でカスレ、にじみ。
書くたびに、紙、運筆の僅かな違いによって
新しい発見、喜びがあります.
俳句や枕草子の一節を葉書に書いてみました。
春
春は曙 やうヽヽしろくなり行く 山ぎは少しあかりて紫だちたる 雲の細くたなびきたる 枕草子より
木の花は梅 濃くも薄くも紅梅 桜は花びらき多きに葉色濃きが枝細く咲きたる 枕草子
夏
虫は鈴虫 ひぐらし 蝶 いとあはれなり 枕草子 三十九段
夏は夜 月の頃は更なり 枕草子 中国古代文字 月
夏は夜 月の頃は更なり 闇もなほ蛍の多く飛びちがひたる
また ただ一つ 二つなど ほのかにうち光りて行くもをかし 雨などふるもをかし 枕草子
雲の中 滝かがやきて 音もなし 山口青邨
朝日さす すだれの外の 岩清水 飯田蛇笏
滴りを いつくしみ見るごとくなり 隆文
虹の環を以って地上のものかこむ 山口誓子
風鈴の 匂うが如き 音色かな 花風
秋
七月ばかり いみじく暑ければ 万の所あけながら夜も明かすに
月の頃は 寝起きて見出すも いとをかし 枕草子
ここでの7月は旧暦の7月 太陽暦の平成15年7月29日が7月1日,旧七夕は8月4日
秋は旧暦では7,8,9月
秋は夕暮れ 夕日はなやかにさして 山際いと近くなりたるに
烏の寝所へ行くとて 三つ四つ二つなど飛び行くさへあはれなり
まいて雁などの連ねたるが いと小く見ゆる いとをかし 枕草子
(前栽の)菊の露こぼれるばかり濡れかかりたるも、いとをかし
枕草子 110段抄
冬
たるいのいみじうしだり めでたき
枕草子 252段
垂氷(たるひ) つらら
10月許りに木立多かる所の庭はいとめでたし
枕草子 166段
九月晦日 10月1日の程の空うち曇りがほに 風のいたう吹くに
黄なる木の葉どものほろほろとこぼれ落つれ
枕草子 第166段 風より
冬はつとめて(注 つとめて 早朝)雪の降りたるは言ふべきにもあらず
霜などいと白く またさらでも いと寒き火など急ぎ起こして
炭火もて渡るもいとつきつづきし 枕草子
![](yukinohikari.jpg)
雪の光り、いと白う見えたるに 枕草子 156段 はがき
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